さて、期待できないことの筆頭は、長期間の保存だと私は思います。デジタルデータだから劣化しない、みたいな売り文句を電子書籍について見た覚えがありますが、データ自体は劣化しなくとも、データが丸ごと破壊されるとか、フォーマットが古くなって再生できる機械がなくなるとか、DRMのために読めないとか、そういうことは実にリアルに想像できます。クラウド型サービスなんてのがあっても、ビジネス上の理由でサービスが終わったらそれでおしまいです。達人出版会の高橋征義氏は100年残せる仕組みがないといっていますが、100年とまでいわなくとも、今の電子書籍は10年後でさえ怪しいのではないでしょうか。
こういう問題は、なんとかして解決してほしい話ですが、現時点では長期保存が期待できないのは仕方ないという前提で考えるよりないように思います。電子書籍を買うときは、紙の本ほどもたないという心積もりを持つ。将来何らかの理由で読めなくなっても構わないという本しか電子では買わないとか、本当に残したい本は重複して紙でも買うとか、そういうつもりでいるべきだと思っています。
これは技術というよりはビジネスや制度に依存するところの大きい話なので、すぐに解決するのは難しいでしょう。端末の解像度とか性能とか、純技術的な問題というのはそのうち解決されると楽観できますが、ビジネス的制度的な問題というのはそれより解決に時間がかかる。
電子書籍に期待すること、しないこと - yanok.net (via raurublock)
いや、とりあえず以下の辺りを満たしていれば後はバックアップだけの問題だと思う。
- ローカルにダウンロード可能(可能であれば再ダウンロード可能)
- 標準的なフォーマット(リーダーにオープンソース版が存在すればベスト)
- DRMがないか、弱いDRMで解除方法が世の中にある
今世に出てるものだと、DRM無しPDFやePubならほぼ問題を感じない。Amazon AWZもまあ、あのDRMを破るのは世にツールがあってものはただの .mobi だからそこそこ満たす (Amazonの新しいフォーマットがどうかは知らない)。とりあえず現状、独自の専用ソフト・端末のみでしか読めないものと、開くたびにDRMの認証をインターネット越しにやるものだけは避けておいたほうがいいとは思う。
なおPDFならDRM付きでも、表示→スクリーンショットをバッチ処理するソフトなんてのは世に転がっているから何とかならないものでもないらしい。独自フォーマットでもPC上で表示が出来るなら何とかできなくはないだろう。まあ現時点でそこまでやるなら紙書籍を買って自炊しとくほうがましな気もするが。