従前「祭り」が発生するとターゲットを個人情報を洗いざらい調べ上げ,時には自宅付近まで押しかけ,場合によっては自宅の写真まで撮って,ブログやら電子掲示板やらにアップロードされてきたわけで,それについてCGMサービスの提供者は自主的にこれを削除したり,そういうものがアップロードされないようにフィルターをかけたりしてこなかったわけではないですか。そして,そういう事業者の謙抑的な姿勢を,むしろ大方のネットユーザーは支持してきたわけではないですか。
落合先生は,ストリート・ビューについてのGoogle社の対応について”サービス提供者が「文句があったら削除してやるから言ってこい」とうそぶいている状況”と表現しているわけですが,これってはてな等のCGM事業者がこれまでやってきたことと変わることはないし,2ちゃんねるにいたっては「オープンな場で言ってきたら削除してやるかもしれない」というレベルではないですか。もちろん,ストリート・ビューは,Google社自らスタッフを雇い機材を用意して情報を積極的に収集しているのに対して,匿名性を保証してあげることにより利用者にこれを行わせているという差はあるにしても,「祭り→個人情報晒し」の際にしばしば用いられるキーワードを含む投稿を自動的にピックアップしてこれを視認し,個人情報晒し投稿を見つけたら即刻削除するとともに,投稿者のアクセスプロバイダに通知する等の措置を講じたりなどせず(画像データしかないストリートビューより,テキストデータがある従前のCGMサービスの方が,問題箇所のピックアップは容易です。),”「文句があったら削除してやるから言ってこい」とうそぶいている”状況というのは,やはり同等かそれ以上に非難されてしかるべきなのではないかという気がします。
la_causette: 「文句があったら削除してやるから言ってこい」とうそぶいている状況 (via tsuda)
まさにその通りだ。目に見えるストリートビューの画像にやいのやいの文句を言うわりに、目に見えないWebサービスのパワーは知られていない。抽象的な概念が理解できない動物ってまだ多いんだなぁ。まぁ、洞窟やサバンナで狩猟生活をするよりも情報化社会のほうがメリットあるよね……と思っているんなら「あの検索とか掲示板とか百科事典のWebサービスは便利。すばらしい。多少は怖いところもあるけど」というトレードオフ感覚と同じ程度に「Google Street Viewは便利。すばらしい。多少は怖いところもあるけど」と考えないと、「私は目に見える物でしか考えられない人ですよ」って宣伝してるようなもんだけどね。
(via otsune)
いやいや。
- Google Street View には現時点で「便利。すばらしい」と言い切れる程の圧倒的な利便性が感じられない(結局はこの利便性とのバランスだと思う)
- 第三者が作成するCGMへの規制が常時の監視を必要とするのと比較して、GSVはGoogleが対応すればワンタイムで終わり
- 個人のblogを含めて大量のプレイヤーが対応しないといけないCGMに対して、GSVはGoogleのみが対象である(なのでCGMの方は法規制レベルでの対応が必要)
と言うだけでもずいぶん違うと思う。個人的にはGSVの問題は、日本人にとってプライバシーを大量に含む情報をあきらかに未完成の状態でサービスとしてリリースしたことにあると思っているし、その後のGoogleの対応も、全く持って必要なコストをかけているように感じられないのが問題だと思う。